[ダイエットは運動1割、食事9割] ブログ村キーワード

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運動しないと痩せない、という定説を覆すシリーズ15万部のベストセラーです。
表紙のことばも刺激的ですね
運動すればするほど食欲が高まる
カロリー計算は意味がない
有酸素運動だけでは痩せられない
フィットネスクラブで、かえって太る!?
これを書いた森拓郎さんが、ファッションモデルや女優さんをクライアントにかかえるフィットネストレーナーだというのも、売れた背景かもしれません。

実際は、運動が嫌いだったり時間がないという理由で運動をしなくても、栄養をしっかり考えて食事を摂れば痩せられる、という内容です。3倍高いものを食えとか、食品添加物の害を熱心に語るとか、ちょっとめんどくさい感じもします。

そもそもダイエットは食事制限の意だから、食事が10割だとか、痩せるのは結果的にカロリーがマイナスになっているからじゃないか、とココロの中で突っ込んでみたりするわけですが、とくべつ運動しなくても減量はできる、ということが3年前に書かれていたのは、いまの僕には心強いことです。


もともとカラダを動かすことが好きな人とか、エクササイズをやってみて、今まで知らなかったけれども楽しいことに気づいた!!という人なら、運動をすることは減量になお効果的ですから、それをやめることはありません。でも、減量したいけど運動ができない事情がある人が、実は運動することがそれほど効果が高いわけでもないと知れば、減量をあきらめない勇気をもてるようになるかもしれません。

人が1日に使うエネルギーのうち、エクササイズやスポーツも含めた日常生活で使う割合は3割、1割は食事を摂ることに使われ、6割は生きているだけで消費されます。それぞれ身体活動、食事誘発性熱産生、基礎代謝とも呼ばれています。

基礎代謝は、寝ても覚めても24時間365日動き続けている脳や心臓、腎臓、肝臓などの生命を維持するのに最低限必要な活動エネルギーです。これは本人の意思で消費エネルギー量を増やせるものではありません。

食事誘発性熱産生は食事に伴う消化吸収に関わるエネルギーです。この消費エネルギーは食事量に比例しますから、食事量を増やせば食事誘発性熱産生も増やせます。が、食事という行為自体のエネルギー収支は常にプラスですから、減量が目的のときにここを増やす意味はありません。

意図して消費エネルギーを増やせる身体活動は、全体の3割にすぎません。もちろん、運動の効果は間違いなくあるのですが、エクササイズや筋トレで3割の部分を一生懸命になって増やしても、効果は知れているということですね。ではなぜ、運動をしないといけないような話になるのかというと、たぶん使うエネルギーを増やせる方法がこれしかないからです。

エネルギー収支という観点で減量をみるとき、何かを変えようとするのに収入サイドは100%が対象ですが、支出サイドは30%しか対象になりません。影響が大きいところから手をうつことを考えるのなら、収入サイドの食事のことに注力するのが正解です。

実際、何らかのダイエット=食事制限をすれば、13分の10を対象にするわけですから7~8割は手をつけたことになります。そのうえで運動をすれば「できることはすべてやった」と言えるようになりますが、食事制限をすれば「完璧ではないけれど対策は実行した」と考えてもいいのじゃないでしょうか。

実際はエクササイズや筋トレをして身体活動を増やすと、基礎代謝にもプラスの影響はあります。期待するほど運動の効果が大きくはないだけで、意味がないわけではありません。だから、エクササイズすること自体にマイナスの要素はないと思いますが、イヤイヤやっているのならやらなくてもいいんじゃない、というのが「運動1割、食事9割」からのメッセージなのでしょう。