腸内フローラが注目されています。

ある種の腸内細菌が多い人は太りやすく
別の種の腸内細菌が多い人はヤセています。

メディアでは「デブ菌」「ヤセ菌」と呼んで
ダイエットに関心がある人の興味を惹いています。
こうなるとデブ菌を減らしてやせ菌を増やして
腸内フローラを改善すれば
きつい食事制限や運動をしなくてもダイエットできる
という期待も高まるというものです。

腸内フローラは遺伝的な体質と同様に
ひとりひとりが独自のバランスを保っています。
今のところ腸内フローラを都合よく変えられる方法は
見出されていないようです。

腸内フローラの権威であるティム・スペクター教授は
多くの食品を食べることが腸内細菌の種類を増やして
腸内環境をよくする、と語っています。

将来は、腸内フローラを操作するダイエット方法が
確立するかもしれません。
でも今のところは、もしデブ菌が多いのなら
デブ菌を減らす努力をするよりも
そのデブ菌の数に見合った食事量に抑える努力の方が
ダイエットには効果的だと思います。


そんな腸内フローラですが
「腸内フローラが人の性格を決める」という研究が
アメリカで報告されたそうです。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームが
女性被験者40名に色々な人物や状況の画像を見せて
MRIで脳内をスキャンしながら
その反応と腸内フローラとの相関関係を調べました。

その結果、特定の腸内細菌の種が多かった人は
ネガティブな画像から不安や苦悩をより強く感じた
という結果が出ました。

これまではマウスの行動や性格に対して
腸内細菌が影響を与えるという報告はありましたが
ストレス耐性やうつ状態に腸内環境が関与している
という可能性を人を対象にして明らかにしたのは
今回のUCLAの実験がはじめてなのだそうです。

僕たちはダイエットだけでなく、行動や性格までも
自分の意思より小さな菌に支配されているようです。
むしろ、菌が自分の意思を差配している
というのが、正確な理解なのかもしれません。

それでも、人生やダイエットがままならないのは
自分のせいではなく腸内フローラの影響だと知れば
多少の慰めになるだけでなく
対処の仕方も見いだせるようになるかもしれません。