血糖値

血糖値とは
血液中のブドウ糖の濃度。空腹時の健康成人では血液100ミリリットル中70~110ミリグラム。常に一定範囲に保たれていることが重要。ブドウ糖はグルコースともいいます。
(出典:大辞林第三版)
食べたものが消化吸収されると血糖値が上がります。
食後の血糖値の上がり方が大きいほど、また急なほど
摂取カロリーが脂肪に変わりやすいといわれます。
血糖は食べたものの炭水化物、糖質に由来します。
そこで、ダイエット中は食後血糖値を上げにくい食品
を選んで食べるといい、と考えられています。
血糖値の上げ方を指標化したものを
グリセミックインデックスといいます。
短く「GI値」と書かれていることもあります。
2003年にWHO(世界保健機関)から
「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを
低GI食品が低減させる可能性がある」
というレポートが出されたこともあって
ダイエットには低GI食品がいい、ということが
当たり前の常識になっていました。
しかし、何が低GI食品かという点については
実は簡単に区別できないものなのかもしれません。
最近、イスラエル・ワイツマン科学研究所が
精製した小麦の白パンと全粒粉パンを使った実験で
どちらのパンがグリセミック応答が良好かは
人によって異なる、とレポートしています。
グリセミック応答とは血糖値の上昇のことです。
白パンのGI値が高い人もいれば
全粒粉パンのGI値が高い人もいた
というわけです。
パンのGI値は、一般に食パンが高く全粒粉パンは低い
と紹介されていることが多いのですが
ワイツマン研究所の実験は、必ずしもそうではない
ことを示唆しています。
GI値に関しては
同じ量の精白パンを食べてGI値を計ったときに
同じ人でも3回の計測で平均20%の変動があり
違う人の間では3回の計測で平均25%の変動があった
という論文がアメリカで昨年9月に公表されています。
この研究を主導した米国農務省(USDA)
加齢に関するヒト栄養研究センター(HNRCA)の
Nirupa Matthanさんは
同じ人でも平均20%の変動を示していることに触れて
GI値を「食品表示や食生活ガイドラインの指標として
用いるのは現実的ではない」
と語っています。
GI値って、アテにならないよね~
ということみたいですね。
どちらにしても、食後血糖値をいつも計れる人は
そう多くないと思います。
GI値を基準に何を食べるかをそこまで気にしても
効果は?
というと、よくわからないとしかいえません。
とすれば、いろんな食品を腹八分目でいただくこと
を心がけたほうが、ダイエットには良さそうです。
食べる順番を意識して、ゆっくり味わっていただくと
血糖値はそこまで急激には上昇しないはずです。
ダイエットに限りませんが
健康に関する常識みたいなものは研究の進展によって
ガラッと変わることが少なくありません。
一方で、裏付けのない話があたかも
定説であるかのように語られることもあります。
そこにどんな根拠があるのか?
これは常に意識していたいと思います。
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2017年06月19日